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畳の新たな魅力 モダン乱敷き

日本で長い歴史を持つ「畳」。
そのため、畳の業界では敷き方にも「ならわし」が存在し、これまではほとんどの畳部屋が、そのならわし通りに畳を敷いてきました。
それに属さない敷き方はあくまで「例外」で、一般的な敷き方が出来ない「変形した和室」とされていました。
皆様がこれまで見てきた畳部屋も、同じ広さであれば大体が見慣れた敷き方で、「畳の敷き方が印象に残る」ということはあまり無かったのではないでしょうか。
その常識を覆したのが「モダン乱敷き」です。
これまでのルールに縛られず、通常とされない敷き方もあえて取り入れることで、お部屋をよりお洒落な空間に変化させることが可能となり、お客様のライフスタイルに合ったお部屋をご提案できるようになりました。
「畳部屋は地味」「畳部屋は使いづらい」そんなイメージが敷き方や素材の組み合わせで素敵なお部屋に変貌致します。

オシャレで暮らしやすい そんな畳部屋へ

例えば、
・汚れの目立たない色の畳を入り口付近に配置したり
・人が良く座るところには強い素材の畳を敷いたり
・机の脚があたる場所など痛みやすい部分の畳を取り替えやすくしたり
モダン乱敷きなら、今まで考え付かなかったこんなことも出来ます。

お部屋の照明や家具を選んだり、模様替えをするときのように、「この部屋でどうやって過ごそう!」と考えるのは、とても楽しそうだと思いませんか?
さらにモダン乱敷きは、お部屋をお洒落にしたいときの「工賃」も抑えられるというメリットがあります。
たとえば「市松敷き」。正方形(半畳)の畳を部屋一面に敷き詰める敷き方で人気ですが、実は半畳の畳は1畳の畳の7割ほどの価格となるため、同じ広さの部屋に敷いた場合かなり割高になってしまうのです。
ところがモダン乱敷きでは、半畳の畳と一畳の畳を混ぜて取り入れながら、市松敷きをした時のようなお洒落な配置にする事が出来るため、お部屋の印象はかえつつ、費用も抑える事が出来ます。
お客様の暮らしと希望に柔軟に合わせられるのが、モダン乱敷きの一番の良さですね。

豊富な知識と技術があるからこそ出来ること

こまで聞くと、「好き勝手に敷けばいいなら誰でも出来そう」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、マニュアル通りの方法でないという事は、より高度な技術と手間が必要になるという事なのです。
まず畳はお部屋の床にしっかり入れ込むものですから、寸法の割り付け方や畳自体の製作もきちんと行わなければすぐに寸法が狂い、平らで隙間のない畳部屋となりません。

しかもモダン乱敷きは、ただ闇雲に「普通と違う敷き方をする」というだけではなく、住む方の生活導線やお部屋の作りに合ったご提案が必要ですから、畳や畳部屋に関する充分な知識もなければいけません。
知識に基づき、畳の使用材料を選定したり、見た目をコーディネートしたり…時間も手間もかかる、こだわりの畳部屋。
それが「モダン乱敷き」の真髄です。

もちろん、一般的な敷き方の畳部屋もメリットはたくさんあり、一概にどちらが優れているというものではありません。「TATAMIなごみ」では、通常の敷き方も喜んで承ります。 畳の魅力を感じる新しいご提案として、興味のあるお客様は、どうぞお気軽にご相談ください。

施工事例

※「モダン乱敷き」発案者である宇都宮市の石川畳店様の施工例掲載。

 

畳を知ろう!豆知識

そもそも“畳”って?

畳は「畳床」「畳表」「畳縁」の3つから構成されています。

■畳床(たたみどこ)
畳の芯となる畳床。
伝統的な畳床は稲ワラを素材に出来ており、よく乾燥させた上質なワラを幾重にも重ねて圧縮して作られていました。
40cmもの厚さに積み上げたワラを5cmほどにまでぎゅっと圧縮することで、畳の持つ防音性、弾力性などを生み出します。 畳にとって要となる畳床ですが、近年ではワラの生産量減少やそれに代わる素材の開発により、稲ワラ100%の畳床は少なくなってきており、スタイロフォームや木材の圧縮ボードなどを使った畳床もあります。

■畳表(たたみおもて)
糸にイ草を織り込んで作られる織物で、畳の表面に使われます。
いわゆる「ゴザ」です。
畳床は畳の性能を決めますが、畳表は畳のグレードを決める重要な要素です。
糸の素材・太さ、織り込むイ草も産地や色、質によって大きく差があり、丈夫で長く色ムラのないイ草を使った畳表は、大変美しく高級品です。
近年では中国産のイ草が使われた安価な畳表が多く出回っていますが、質の良さや安全性から国産イ草の畳表はいまだ根強い人気があります。

■畳縁(たたみべり) 一般的に畳の長編に縫い付けられている布の呼称です。
畳の縁をダメージから守り、畳同士の隙間を埋める役割があります。
素材や柄も多様なものがあり、畳部屋の景観を決めるポイントになります。
琉球畳のような、畳縁のないタイプの畳もあります。

畳縁一例:

畳の魅力

■畳には「断熱効果」があります
畳の素材である「イ草」の内部はスポンジのような構造をしており、中に多くの空気を含んでいます。
その空気が断熱剤となるため畳は熱を伝えづらく、夏は涼しく、冬は暖かい快適なお部屋を作ってくれます。

■湿度調整効果
畳は自然の素材で出来ており、湿気を吸ったり放出したりしてくれるため、部屋の中の湿度を適度に保つための調整役を担ってくれます。
自然の素材による調湿効果で、年間を通して過ごしやすい環境づくりに役立ちます。

■畳には「クッション性」があります
畳は優れた弾力性があり、転んだときの危険も少ないため、小さいお子様が遊ぶお部屋にも安心です。
また物を落としたときの衝撃も和らげてくれるため、防音&衝撃音の軽減にもなります。

■畳には「空気清浄力」があります
心が洗われるようなすがすがしい畳独特の香りは、素材である「イ草」の香りと「染土」の香りが混ざって生まれています。
リラックスし、集中力を高める効果もあると言われています。
このように、畳は自然の力で住空間を快適にしてくれる効果があります。

上手な畳選び

良い畳は、高品質な素材と丁寧な作りから生まれます。
【イ草に色むらのない畳を選ぶ】 高品質なイ草で作られた畳は、色ムラがなく均一な色をしています。
畳は使い込むうちに色が変化し、ツヤのある黄金色に変わって行きますが、ムラのない畳は、色が変化した後も綺麗な印象になります。
また見た目だけの問題ではなく、イ草の色からは畳の耐久性も判断できます。
イ草は植物ですが、色が緑で均一な部分に一番耐久性があり、色が均一でない先端や根元は脆くなる傾向があるため、色が均一な畳は「イ草の耐久性が高い部分だけを選定して作られている」ものであり、畳自体の耐久性も高くなるのです。

【目が詰まった畳を選ぶ】
畳は高品質であればあるほど、たっぷりとイ草を使い、肉厚な畳表に仕上げています。
イ草の量をきちんと打ち込まれた畳は耐久性も高く、長く使える畳といえるでしょう。

【表面に割れやささくれやない畳を選ぶ】
畳はイ草を乾燥して使われますが、工程を短縮するために高温で一気に乾燥されたイ草は、時間をかけてしっかり乾燥させたイ草と比べて脆くなってしまいます。
そうしたイ草は表面が欠けたり割れたりしやすいため、畳を選ぶ際はよく観察してみると良いでしょう。